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👩‍🏫 Issue 04 — Personnel

教職員関与と
職務専念義務

勤務時間中に教職員がPTA内部事務を担う運用は、地方公務員法第35条の職務専念義務との関係で確認が必要です。学校側の基本的な接点は「渉外業務(学校↔PTA間の連絡調整)」であり、名簿管理・会費処理・役員事務とは分けて整理する必要があります。

Personnel & Election Issues
役員選出・人事問題
教職員関与・職務専念義務の読み方

問題は、教職員の善意ではなく「勤務時間中に誰の事務をしているか」です

学校とPTAは協力関係を持ち得ます。しかし、学校職員が勤務時間中に、PTAの会計、集金、名簿、役員選出、文書作成、封入、メール配信などを恒常的に担う場合、それは学校の職務なのか、PTAという別団体の内部事務なのかを分けて確認する必要があります。

1連絡調整

学校行事や施設利用に必要な範囲の連絡は、渉外的な対応として整理できます。

2内部事務

PTA会計、名簿、役員選出、会費徴収はPTA側で完結させるべき事務です。

3職専免

服務免除を使う場合でも、根拠規則、対象者、時間、用務の記録が必要です。

4移行

教職員任せを責めるのではなく、PTA側の事務体制へ段階的に戻します。

教職員の職務を明確にする資料は、PTA事務の線引きにも使えます

学校現場では、保護者対応、地域連携、学校運営協議会、学校行事の調整など、教職員が関わるべき周辺業務があります。そのため、「PTAと連絡を取ったら直ちに問題」という整理ではなく、学校教育上必要な連絡調整と、PTAという別団体の内部事務代行を分けて見る必要があります。

教職員の標準的な職務や学校管理規則の整備に関する資料は、この線引きを考える材料になります。学校が担うべき職務を明確にするほど、PTA会計、PTA名簿、役員選出、会費徴収、印刷・封入などを勤務時間内に恒常処理する根拠は説明しにくくなります。

学校側の連絡調整
学校行事、施設使用、安全管理、保護者への学校連絡など、学校管理上必要な範囲。
PTA側の内部事務
会員管理、会費徴収、会計、役員選出、広報紙編集、総会資料作成など、PTAが自ら処理すべき範囲。
境界領域
配布、校内掲示、連絡ツール利用、施設利用許可は、根拠・対象・目的・個人情報利用を記録して確認します。
職務専念義務・働き方改革資料

地方公務員法第35条だけでなく、教員の職務と働き方改革資料を合わせて読む

教職員のPTA事務関与を確認するときは、地方公務員法第35条の条文だけでなく、教員の標準的な職務、学校における働き方改革、学校徴収金や外部対応の整理を合わせて見る必要があります。PTAとの連絡調整はあり得ますが、会費徴収、未納確認、会計処理、名簿作成、役員選出、広報編集を学校職務として扱うには、別途根拠説明が必要です。

地方公務員法第35条勤務時間と職務上の注意力を、地方公共団体の職務に用いるという基本線。
教員の職務資料学校が担う業務と、外部団体の内部事務を分けるための補助線。
働き方改革資料学校徴収金や周辺業務を教師任せにしない方向性を確認する資料。

「担任の先生がPTA封筒を配ってくれる」「事務室で会費の集計をしてもらっている」——多くの学校でこれが当たり前になっていますが、これらは地方公務員法第35条(職務専念義務)との関係で、職務上の根拠を確認すべき行為です。悪意があったわけではなく、長年の慣行として定着してきたものですが、制度上の線引きは必要です。このページでは、何が問題なのか・何はよくて何はダメなのか・どう改善するかを整理します。

図解:職務専念義務の壁

税金で支払われる勤務時間を、任意団体(PTA)の事務に充てることが問題の核心です。

勤務時間のうちPTA業務に充てられている部分を示す時計グラフ 勤務時間 (税金で支払われる時間) PTA集金・ 名簿管理
地方公務員法 第35条(職務専念義務)

職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

⚠️

PTAは学校とは別の任意団体です。教職員が勤務時間中にPTA内部事務を担う運用は、職務専念義務や公私分離の観点から確認が必要な便宜供与の問題になります。

行政実例:「PTA事務は職務に含まれない」

この点は、法令の解釈として1960年代から一貫して確認されています。

行政実例(昭和39年1月20日 自治丁公発第3号・熊本県教育長あて)
PTA等の任意団体の事務は、教職員の職務上の事務には含まれない。

この行政実例は、現在の運用を点検する際にも重要な手掛かりになります。当委員会が整理している教育委員会回答の中にも、PTA内部事務と学校職務を分けて考える趣旨の回答があります。「昔からやっていた」「暗黙の了解だった」は法的な正当化根拠にはなりません。

📋

服務免除制度との関係

地方公務員法第35条ただし書き・各自治体の条例に基づき、一定の場合には「職務に専念する義務の特例(服務免除)」が認められることがあります。ただし、この制度を使うためには条例・規則の根拠が必要で、PTAへの日常的な関与を包括的に免除することはできません。「服務免除を取れば問題ない」というわけでなく、その範囲と手続きが厳格に問われます。

何はOKで、何はNGか

「一切の関与禁止」ではありません。渉外業務(学校↔PTA間の連絡調整窓口)を基本的な接点とし、PTA内部事務の代行と分けて確認します。

✅ 渉外業務として許容される範囲
PTAからの行事協力依頼の受付・校長への取次ぎ
学校行事日程など公開情報のPTAへの提供
PTAと校長の定期連絡会議への校長参加
PTA主催行事への校長の来賓参加
学校施設使用許可の窓口対応
❌ 渉外業務を超える・問題ある関与
担任がPTA封筒・配布物を配布・回収する
事務職員がPTA会費の集計・処理を行う
学校名簿をPTAに提供する(個人情報保護法69条にも抵触)
学校印刷機でPTA文書を印刷する
会費引落しを学校名義口座で行う
教職員がPTA役員・会計担当として運営を担う
勤務時間中にPTA関係の電話・メール対応をする

教職員がPTA役員になること

「校長がPTA会長」「教頭がPTA副会長」という状態は各地で見られますが、これは複数の問題をはらんでいます。

社会教育法第12条の精神(行政からの自主性)からも、教職員がPTAの意思決定機関の中核を担うことは望ましくありません。

是正の進め方:段階的に切り離す

「今すぐすべてをやめる」と機能不全が起きます。現状把握から始め、段階的に切り離すことが現実的です。

1

現状の棚卸し

教職員が行っているPTA関連作業をリストアップします(配布物・集金補助・印刷・電話対応など)。多くの場合、誰も「全体像」を把握していないまま慣習が続いています。

2

PTA側で代替できる業務を特定する

会費管理にはクラウド会計ツール、配布物配付にはPTA役員による配付体制など、学校に依存しない方法を検討します。「不可能」なものはほとんどなく、ほぼすべてPTA側で担えます。

3

校長・教育委員会と移行計画を共有する

「法令上の問題があるため、1年かけて切り離す」と校長に伝えます。教育委員会も同様の問題認識を持っているケースが多く、指針を共有することで協力を得やすくなります。

4

切り離し後の「渉外業務のみ」体制を書面化する

学校とPTAの間で「渉外窓口覚書」を作成し、接点の範囲を明示します。これが適正化の完成形です。

全国教育委員会の回答に見る共通認識

掲載している教育委員会回答には、PTA内部事務への教職員関与について、職務専念義務や服務上の整理を要するという趣旨の回答が含まれています。件数を引用する場合は、回答本文と分類タグを分けて確認してください。

📌

適切な回答例の傾向

「PTA活動は教職員の職務ではないため、勤務時間中の従事は適切でない」「会費集金・名簿管理は学校の所掌外」とする回答が複数の教育委員会から確認されています。

⚠️

曖昧な回答例の傾向

「各学校の判断に委ねている」「慣行的に行われているが問題とは認識していない」という回答もあり、教育委員会自体の認識が整理されていないケースも見られます。

回答全文は教育委員会の回答ページで自治体別に確認できます。

教職員関与・職専免に関する追加資料候補

教職員がPTA事務に関与する問題は、「慣行」ではなく、職務専念義務、兼職兼業、学校会計処理、学校関係団体との関係として整理する必要があります。以下は、文部科学省通知・調査結果、自治体の職専免資料、参考研究を含む確認中資料候補です。

公式通知と参考研究は性質が異なります。正式掲載時には、一次資料・自治体資料・研究資料を分けて表示します。

追加資料候補一覧を見る

兼職兼業・職専免資料を、教育委員会への照会項目に変える

兼職兼業、職務専念義務免除、学校関係団体の会計処理に関する資料は、抽象的な制度説明で終わらせず、学校現場の実務を確認する質問に変換できます。教育委員会に照会する際は、「PTAに協力してよいか」ではなく、学校職員がどの身分・どの時間・どの根拠で関与しているのかを問う形にします。

勤務時間内か

PTA会計、集金、名簿、印刷、メール配信、総会資料作成が勤務時間内に行われているか。

職務命令か

校務として命じているのか、慣行的に任せているのか、個人の任意協力なのか。

職専免か

職務専念義務免除を使っているなら、根拠規則、対象者、時間、用務、承認記録があるか。

兼職兼業か

PTA役員・会計担当・事務担当としての地位を兼ねる場合、兼職兼業の手続を整理しているか。

会計処理か

学校事務室がPTA通帳、現金、振替データ、領収書、決算資料を扱っていないか。

移行計画か

教職員依存がある場合、PTA側へ戻す期限、担当、手順を定めているか。

関連導線

教育委員会・学校向けガイド 会費徴収の問題へ 個人情報提供の問題へ 運営チェックアプリで確認 全国教委の回答を見る
よくある疑問

よくある質問

担任の先生がPTA封筒の仕分けをしています。問題ですか?

勤務時間中の従事であれば、地方公務員法35条の職務専念義務との関係で確認が必要です。「ちょっとした手伝い」であっても、恒常的・組織的に行われれば問題状況になります。担任本人が認識しないうちに、学校として説明しにくい運用に置かれている可能性があります。

「服務免除を取れば、勤務時間中にPTA活動をしてもいい」と言われました。本当ですか?

服務免除の制度は存在しますが、条例・規則の根拠と個別の手続きが必要です。「校長の口頭承認」だけでは不十分で、PTAへの日常的な関与を包括的に免除することはできません。また服務免除が認められたとしても、公費(給与)でPTAを支援することは、行政の中立性・社会教育法上の問題として残ります。

渉外業務として「校長がPTA総会に出席する」のは問題ありませんか?

来賓として出席すること自体は渉外業務の範囲と考えられます。ただし「議決権を持つ役員として出席する」「予算・人事を実質的に決める」等の関与は、PTAの自律性を損ない社会教育法上の問題が生じます。「校長が事実上PTAを運営している」状態は避けてください。

事務職員がPTA会費の集計を補助しています。どう対応すればいいですか?

勤務時間中の補助は職務専念義務違反の疑いがあります。PTAが独自に会計を担える体制(会計担当役員+クラウド会計ツール等)を整備し、事務職員への依頼を段階的に終了することが適正化の手順です。移行期間が必要な場合は、校長に計画を共有しながら進めてください。

「PTAのためにやっているんだから感謝してほしい」と教職員に言われます。どう返すべきですか?

善意でやってくださっていることは尊重すべきです。ただし法制度上の問題は感謝・不満とは別の次元です。「先生を守るためにも、PTA事務から切り離したい」と伝えることで、対立ではなく改善の方向に話を向けられます。職務専念義務違反は教職員本人のリスクでもあります。

教育委員会に改善を求めることはできますか?

できます。地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条は、教育委員会が学校を監督する権限と責任を持つことを定めています。教職員の職務専念義務の遵守は教育委員会の監督事項であり、問題がある場合は改善指導を求めることが正当な手段です。照会状のテンプレートは当委員会のガイドで確認できます。